
今回は新年度スタートということで、閑話休題といきましょう。
ちょっと哲学的な話になりますが、「原因と結果」ということについて考察してみたいと思います。この原因と結果の関係を「因果律」(いんがりつ)といいます。
この「因果律」とはAという原因からBという結果が必ず起こることをいい、同一の原因については必ず同一の結果が起こることを意味します。しかし現実世界においては、幾重もの因果関係の連鎖や相互関係が複雑に絡み合うので、単純にAはBの原因であると言いきれない方が一般的です。
しかしながら、実際には原因と結果の間にある種の因果律の方向付けが行われています。簡単に因果関係を決め付ける傾向があり、さらには原因と結果を逆転させて取り違えるということさえも頻繁に起きているのです。
「鶏が先か、卵が先か」という古典的なロジックにもつながるのですが、この手の原因と結果の履き違えが現在でも頻繁に起きているのです。
例えば、銀行の貸し渋りという「結果」は何が原因なのか考えてみましょう。
銀行はお上の指示で自己資本比率をある程度まで上げておかなければならないのですが、自己資本比率を上げるためには、(1.)増資するか、(2.)総資産を減らすしかないから、貸付額を減少させて営業規模を小さくするしかないのです。
貸付額を減らすために、貸し渋りをしたり、債権を回収する際に、不良債権は回収出来ないから優良客先から債権を回収するなど後ろ向きな仕事しかできなくなってしまうのです。こうして不景気が悪循環で続いてしまうのです。
銀行の貸し渋りの原因は不景気にあったのですが、政府が行った銀行の自己資本比率アップの命令が不景気を招いてしまうという矛盾がおきてしまったのです・・・。